定例会が終了
賛成23、反対6、退場9という採決結果でした。仮に退場した9人が反対して、賛成から反対に5人が変われば、予算否決となります。市役所だけでなく、学校、保育所、幼稚園など市の業務が4月から全て止まってしまうので、賛否を示さずに退場したことは苦渋の決断でした。
大学生からの請願
さらっと読むと賛成しそうになる文章ですが、私は過去に大学生の投票と住民票の関係について議会でとりあげたことがあり、その際に法律や最高裁の判例なども確認しました。この時は選挙のめいすいくんの「政治家は投票した人の代表に過ぎない」という暴言だけがクローズアップされましたが、本当に確認したかったのはこちらです。
大学生の不在者投票
西宮市の成人式は招待状がなくても、住民登録がなくても参加できます
請願の文章にそれらと異なる表現があったため、委員会の場で紹介議員に確認しました。Qは私、Aは紹介議員です。
Q1 住民基本台帳法第二十二条を知っていますか。
転入(新たに市町村の区域内に住所を定めることをいい、出生による場合を除く。以下この条及び第三十条の四十六において同じ。)をした者は、転入をした日から十四日以内に、次に掲げる事項(いずれの市町村においても住民基本台帳に記録されたことがない者にあつては、第一号から第五号まで及び第七号に掲げる事項)を市町村長に届け出なければならない。
A1 知らない。
※例外なく住民票を異動させなければなりません。
Q2 にもかかわらず、大学生は住民票をなぜ異動しないのですか。
A2 健康保険とかの関係ではないか。
※私は大学生の時、地元を離れて京都で1人暮らしをしました。住民票を異動させましたが、何の不都合もありませんでした。住民票が必要な際、20歳になり国民年金の手続きをする際、自分で手続きをしました。成人ですから当然です。
成人であれば、こういった手続きは親に頼らずに自分でするものだと思います。住民票を異動させない理由として、よく挙げられる成人式ですが、現在、ほとんどの自治体で住民票がなくても成人式に参加できます。
Q3 福岡県に那珂川市があります。町から市になる要件が人口5万人のため、市になるために様々な取り組みをして、やっと2018年10月1日に那賀川町から那賀川市になりました。中核市は人口要件20万人、政令指定都市は要件は50万人です。地方交付税の算定には人口も含まれます。このように人口は自治体にとって重要なものです。 異動させてない人は住民票がないにもかかわらず、その自治体から行政サービスをうけることになります。例えば、ごみ処理などです。
2022年4月1日から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられますが、成人であるにも関わらず、投票させてくれと権利は主張して、先ほどの住民基本台帳法における義務である住民票の異動をしないことについてどう思いますか。
A3 2と同じような回答。まるで質疑になりません。
Q4 議会の一般質問で大学生の住民票について市が見解を示しているが確認しましたか。
A4 いいえ。
※議事録を確認することは議員が質疑をする上で最低限の責務です。
Q5 最高裁の判例を知っていますか。
※これも確認しようと思いましたが、これまでのやりとりから聞かなくても答えはわかったので、質疑せず。
最高裁判例 基本選挙人名簿異議決定取消請求
続いて、選挙管理委員会(選管)に確認
Qは私、Aは選管の職員
Q6 今治市の選挙管理委員会がホームページに、「住民票が今治市にあっても市外に居住している学生は、今治市の選挙人名簿に登録され投票所入場券が届いても、今治市の選挙人名簿に登録されるべきでなかった者として取り扱われ、投票をすることはできません」という見解が記載されており、西宮市も同じ見解ということを以前、選挙管理委員長が答弁しましたが、この見解で変わりないですか。
A6 はい。
Q7 不在者投票は住民票を異動せずに親元をはなれている大学生を想定していますか。
A7 いいえ。
※高校でも住民票の異動について周知するように国から通知が出されています。大学生を想定していない不在者投票でなく、住民票異動の啓発が重要です。大学でもそういう啓発はしていると聞きます。
法律、最高裁判例、議会で示された市の見解の全てを無視した請願には賛成できませんが、今回、大学生が投票率向上のために行動したことは、勇気がいる事だった思います。すごいとも思います。
ただ、紹介議員が大学生に法律や判例などについてアドバイスをしない、質疑にもまともに対応しないことで、大学生の行動を無にしただけでなく、請願に賛成する議員の本会議での意見表明が、反対する議員を批判するような内容だったため、大学生の思いを議会に届けることでなく、批判することが目的だったのかなと残念に感じました。